紙とえんぴつ
- MIKI MOCHIZUKI
- 5月19日
- 読了時間: 2分
いつ振りかわからないが、最近鉛筆を使うようになった。
やれデジタル化が進む時代で逆行しているようであるが、
私は紙と鉛筆が一好きだ。
少し前に、東北大学に保管されている、ある先生のフィールドノーツを見せてもらいに行った。B5判の大学ノートに、さらさらと鉛筆で文字が書いてある。何十冊にものぼる量に圧倒された。
保管を頼まれた先生と少しお話すると、昔、その先生と調査に行ったときのことをお話してくれた。
「○○先生はね、いつも鉛筆でノートを取っていたんですよ。それで、たまにインタビューの途中で、鉛筆を削ったりしながら、お話を聞いていてね。」
インタビュー中に鉛筆を削り始める先生の姿が容易く思い浮かぶ。
ああ、そうやって、絶妙な間をとっていたのかしら、もしくは特に考えはなかったのかな、とも思う。
帰り道、私も先生と同じサイズのノートと鉛筆を買おう、そう思って通販サイトを開いた。
間違ってB5ではなくA4ノートを注文してしまい、後日研究室にはやたらと大きなノートがたくさん届いた。それと、木の、どこにでもある鉛筆が1ダース届いた。
そこから、鉛筆の箱を開くことなく、2年くらいが経ってしまった。
今年の4月からは昔のように、文献購読ノートをつくるようになった。
ワードファイルではなく、IPadでもない、ただの大学ノートに文字を書くと、
頭のなかと目の前の物体が、タイムラグなく重なり合う。
シャープペンシルの芯がポキッと折れた。カチカチとしてみたが芯切れのようだ。
ああ、何か代わりに書くものを、
ふとあの先生のフィールドノーツを思い出す。
鉛筆をゴリゴリと削って、文字を書いてみる。
サラサラと音がする。なんだかそれが心地よい。
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